けんばん日記 #2
5年くらい前の話
当時浪人生だった僕は、お昼を買いに家近くのコンビニに寄りました。
何を買ったかは覚えていませんが、レジで肉まんを注文したのは覚えています。
「肉まん一つ…」と言うとレジの女の子が僕の顔を見て「○○(僕の本名)やん!」と言いました。しばらくは呆然としましたがすぐに小学校の頃の友達であることを思い出しました。
それから家に帰ってお昼を食べていると、ふと「自分は浪人しているが彼女はコンビニで働いている。」という事実がどうも引っかかってしまいました。
自分は高校を卒業したあと働くことはなく、また、大学に入るでもなく浪人をしていたわけです。僕の周りの友達は大学に進学し、自分が取り残されたような気がしたのです。
僕だけ置いて行かれている…ということを、山登りで一人僕だけが残されているというたとえを交えて母に言うと
「人には人の人生がある。あなたはあなたの山を登ればいい」
と母は答えてくれました。
人生をどう例えるかは人によって違うと思いますが、別のひとは別の人生を歩んでいるだけと言われればそんな気がします。
いろんな人が、いろんな環境で育ち、いろんな考え方をもって、いろんな生き方をしています。他人は、自分ではないので、表出する枝葉の部分で比べて優劣や善悪を断定することはできません。まあ、比較しても別にいいんですが、それで落ち込んだり傷ついたりして前に進まなくなってしまうのは問題です。
自分の山を登る…前進するための、一つの考え方ですね。心にしまっておきます。
(2021/04/11)